童貞見聞録

アラサー超えてアラフォーのセクシャルマイノリティ童貞野郎が心に移りゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつけるブログ

男女の「不平等」

つい最近、気になる報道があった。

www.j-cast.com報道そのものというよりも、この記事に対する世間の反応が、あまりにも自分の考えとかけ離れていたため、気になってしまった。

 

女子学生を増やすためと言われると疑問符が付くものの、率直に言って、この取り組み自体は評価できるものだと思っている。
これまでの秋入学やらクォーター制導入やらに比べれば、余程学生の立場に立った素晴らしい施策だ。
ところが、上の記事やTwitter上での反応をみると、「男女差別」とか「不平等」というフレーズが多くて驚いてしまう。
どうやら、この件を批判している皆さんと僕とでは「男女差別」に関する問題意識が大きく異なっているらしい。
これは、僕が性的に良く分からない人間であることも関係している気がしたので、男女の性差に関する自分の考えを書いておく。

 

上記のニュースに関する考えから先にまとめておく。

 

僕がこの件を好ましいと思う理由は主に2つある。

一つは、女子寮の絶対数が少ないという問題である。
例えば、各道府県が首都圏に持っているいわゆる県人寮と呼ばれる施設について考えてみる。
調べてみると、Wikipediaの「県人寮」ページに載っている46の寮の内、女子も入寮できる寮は15しかなく、残りは全て男子寮である。
そもそも「男女差別」という指摘は、この現状そのものに対して当てられるべきだと思う。

もう一つは、やはり女性であれば男性よりもセキュリティ面(立地や環境、オートロックの有無とか)が気になるだろうからだ。
これこそが、「差別」と言われてしまうのかもしれないが、果たしてそうだろうか。
娘を東京の大学に送る地方の親御さんからすれば、少し高くてもより安全な住まいを求めることはごく自然なことだ。
性犯罪の被害者は圧倒的に女性の方が多い。
もっと根源的なことを言えば、一般に女性の方が力が弱い、ということは厳然たる事実だ。
その性差を織り込んで、学生生活を営む上での不平等を解消しようとする施策が、目くじら立てて「男女差別」と糾弾される意味が分からない。
実際にどれほどの人数が入るかもわからない女子寮を一つ建てるよりも、一人暮らしの女子学生向けに家賃補助を出す方が余程理に適っているとも思う。

男女の性差に端を発して、結果的に片側の性の人間だけが担当している仕事は世の中に結構ある。

例えば、公共のトイレの清掃である。
担当する人間はほぼ全員女性だ。
理由は簡単で、女性用トイレも清掃するからだ。
あるいは、ホテルの清掃員でもいい。
もちろん、男性が担当する場合もあって良くないとは言わないが、そのトイレもホテルも利用する人は極めて少ないだろう。
これも、「男女差別」なのだろうか。

 

僕は、究極的には男女の間の「不平等」は解消できないと考えている。

最も「不平等」と感じるのは、時の流れ方だ。
今、僕は2回目の結婚式お呼ばれピークが来ているのだが、この「結婚」に対する考え方に如実に表れていると思う。
20代も後半になってくると、飲み会の場でも結婚の話題は必ずと言ってよいほどに挙がってくる。
もちろん考え方そのものは人それぞれなのだが、男性と女性では「結婚」あるいはその先の「子ども」に対する考え方の真面目さがまるで違う。
あえて指摘するならば、女性には閉経という名の明確なタイムリミットがあるからだ。
誤解しないでもらいたいが、「子どもができないなら結婚すべきでない」とか、そういうことを言いたいわけでは決してない。
でも、どんな施策を設けても、おそらく未婚の40代男性が結婚する確率と未婚の40代女性が結婚する確率が同じになることはないのだ。

時の流れは男女「不平等」

飲み会の席で、20代後半くらいの女性と付き合っている友達や後輩が「結婚する気はない」とか宣うのを聞くたびに、このフレーズで説教をぶって想像力のなさを非難してきた。
正直言って、本当に少子化対策をする気があるなら、20代後半~30代の女性と結婚する気もなく付き合っている男には慰謝料を請求できるように民法を改正しても良いと思う。
男性と女性のその年代の10年の意味・価値は、まるで異なるからだ。

 

最後はそれこそ「男女差別」として世間から糾弾されてしまうような過激な提案までしてしまった。
ここまで男女の性差について述べてきたけれども、あくまでカッコつきの「不平等」であって、違うからいけないと主張するつもりはまるでない。
むしろ逆で、違うからこそ面白いし、良い社会になるのだと思う。
言ってみれば、最も近しい別の生物なのだ。
お互いの違いを対話によってきちんと理解して尊重する社会こそ、僕の思う男女差別のない状態だ。
男だか女だか良く分からないような人間に、こんなことを言われたくはないのかもしれないが。

 

それにしても、上の記事や女性専用車両、レディースデイと、何にでも「男女差別」のレッテルを付けたがる一部の人々にとって、どんな社会が理想的な「平等」なのだろうと想像する。
極論を言ってしまえば、セックスしたら2分の1の確率で男女どちらかが妊娠する、というような状況にならない限り、完全な「平等」はあり得ないだろう。
そういえば、オーストラリアで男性の妊娠に成功したという話題が少し前にあったし、結構ありうる話かもしれない。
あるいは、マイマイ科(カタツムリ)のように雌雄同体ならば良いかもしれない。
子どもを作る段になったらじゃんけんで決めるのだ。
案外楽しいかもしれない。