童貞見聞録

アラサーのセクシャルマイノリティ童貞野郎が心に移りゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつけるブログ

星野源ANNにみる男女平等

昔からラジオは大好きだった。
特に中高生の時分はどっぷりとFMラジオにはまり、家に帰ってとりあえずすることと言えば、勉強机のそばのMDコンポのスイッチを入れてラジオを流すことだった。
当時は、埼玉県と東京都の狭間くらいに住んでいたため、大体NACK5からJ-WAVEの79.5-81.3を行ったり来たりの毎日だった。

 

なぜFMラジオだったのかはよく覚えていない。
FMの方が音はクリアに聴こえたし、何よりそれまで知らなかった音楽との出会いが多かったせいかもしれない。
その内、FM特有のあの気取った喋り方と英語の発音にも慣れ始めて、すっかり洋楽ばかり聴く立派なキザ野郎が僕の中に生まれてしまった。
とは言え、ハマったきっかけがラジアンリミテッドだったので、FMでも比較的AMっぽい、リスナーとパーソナリティの交流に焦点が当たったものが好みだった。
ラジアンリミテッドOH! MY RADIOGROOVE LINE鬼玉、そしてみんな大好きクリス・ペプラー氏のTOKYO HOT 100。
当時の特に好きだった番組の数々だが、最後以外、みんなFMの中でもAM臭のする番組だった。

時は流れて、大人になってからも実験の準備中や書類の単純作業をするときには、やはりラジオをつけることが多い。
何せ、当時とは異なり、今はネットに繋がればどこでもラジオが聴けるのだ。
ラジオリスナーにとってradikoの存在は本当に尊い。
最近はタイムフリーという画期的な機能が実装され、一週間以内であれば遡って聴くことができる。
好きな番組を聴き逃しても、曲やCMがカットされた味気ない音源をYouTubeで探さなくて良くなったのだ。
何て素晴らしい。

さて、そんなFMラジオ好きだった僕の現在最もお気に入りの番組が、月曜深夜に放送中の「星野源オールナイトニッポン」(以下、星野源ANN)である。

www.allnightnippon.com
全然FMじゃないじゃないか、とお𠮟りを受けてしまいそうだが、上記の流れからすれば何の矛盾もないと思っている。
まず、一つに、音楽家でもある星野源さんがパーソナリティということもあって、番組中の楽曲は全て彼自身が選んでいて、音楽への強いこだわりが感じられる。
イエローミュージックという大変渋いコーナーもあって、AMでありながら、大変FMっぽい音楽語りが聴けてしまったりするのだ。
元々、FM番組の中でもAMっぽいものが好みだった僕が、AM番組の中でとりわけFMっぽいこの番組を好きになるのは必然だったと言えよう。
そして、radikoである。
音質が悪いとされていたAMも大変きれいな音で聴けて、音楽も十二分に楽しめてしまう。
もはや、AMを聴かない理由がなくなってしまったのだ。

ラジオとテレビの関係や、ラジオとアイドルの関係など、ラジオについては個人的に書きたいことがたくさんあるのだが、それはまたの機会にとっておく。
先日、男女の不平等について書いたことを受けて、その視点からこの素晴らしい番組について述べておきたい。

 

先日の記事の中で、僕は、男性と女性の間にはどうしたって違いが有るし、究極的な意味での「男女平等」はあり得ないのではないかということを述べた。

tamago-polo.hatenablog.com

さらに、「違い」をもっと楽しんで尊重すべきであるということを書いたのだけれども、じゃあ具体的にどうすれば良いということは書かなかった。
と言うよりも書けなかった。
なぜなら、具体的には何も浮かばなかったからである。
考えてみれば当たり前で、僕程度がちょっと頭を悩ませて解決されることならば、男女差別の問題など、とっくの昔になくなっているはずだ。

 

ただ、僕の思う理想的な男女の在り方に近いものが、星野源ANNで実現されている気がするのだ。

星野源ANNは、オールナイトニッポンらしく(星野源さんらしく?)、毎回下ネタがバンバン飛び交う番組だ。
そして、これは星野さんの力が大きいと思うが、他の深夜ラジオに比べて女性リスナーが多いことも特徴だと思う。
結果として、男性も女性も、互いの性を恥じず、また、互いの性を貶めない、大変清々しい空間が出来上がった。

 

具体例を出そう。
星野源ANN、珠玉のコーナーと言えば、やはり「豚野郎のコーナー」と「夜の国性調査」だろう。

「豚野郎のコーナー」は、要するに懺悔コーナーだ。
際どい行動や妄想、欲望を持つリスナーが、THE JAYWALKの「何も言えなくて…夏」の爽やかなメロディの中で「この、豚野郎!」あるいは「この、雌豚が!」と毎回気持ちよく罵られている。
可愛い女の子の唾がかかるのを期待してわざわざパ行を言わせるような質問をしている、という男性リスナーや、人の脇に手を入れて匂いを嗅ぐと興奮します、という女性リスナーを皆で気持ちよく笑い合えるのだ。

対して「夜の国性調査」は、リスナーの思い出に残る性体験を紹介するコーナーで、ハガキのみで募集されている。
このコーナーは名作が多いのだが、特に感動したのは、少し前に紹介された遠距離恋愛中の女性リスナーのエピソードだ。
彼女は、離れて住む彼氏と時折テレフォンセックスをするのだけれども、段々と指だけでは物足りなくなってしまったそうだ。
だけれども、彼のもの以外は入れたくない…
そこで彼女は、彼のものの型を取り、シリコンゴムか何かを流し込んで、まさかの自作に挑戦するのだ。
そして最後、「そのまま使うと冷たくて良くないので温めて使うのがお勧めです」と結んでいる。
何て健気で良い話だろう。尚かつ笑える。
女性のこんなエピソードが紹介され、そして素晴らしいと言い合える環境が、この番組にはあるのだ。

 

もちろん、ラジオ番組なので、ハガキ職人が居て、大半はネタであろうことは理解している。
ただ、強調しておきたいのは、そうした「男性」性や「女性」性に基づいたネタが平等に扱われて、平等に尊重され、笑いに繋がっている点だ。
RN夜な夜なJKさんがクラスメイトの富田くんに告白すれば、全国の偽富田や偽富田の母、偽ライバルからメールが殺到するあの感じ。
この雰囲気こそが、僕の思う理想的な男女の在り方に近い。
月曜深夜の2時間、この番組の中だけは、何だかとても「男女平等」な気持ちになるのだ。