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童貞見聞録

アラサーのセクシャルマイノリティ童貞野郎が心に移りゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつけるブログ

桃太郎計画

昨日、大学院の時の同期から久しぶりに連絡があり、東京で昼飯を一緒に食べる機会があった。

彼は、修士号取得とともに某企業に就職し、その数年後には結婚もして、去年第一子誕生、とまさに現代では珍しいくらいの順風満帆の人生を歩んでいる。
普段、なかなか会わない爽やかスポーツマンタイプの人間なので、興味の赴くままに根掘り葉掘り色々と聞いてしまった。
何せ、僕の人生においては、ほぼ起こりえないであろう出来事を、既に彼は一通り経験しているのだ。
興味は尽きない。

理系で研究室にいたことのある人ならば分かると思うが、研究室の同期というのは極めて重要な存在である。
指導教官という名の上司を共通の相手として、精神的・肉体的に何度助け合ったか分からない、まさに運命共同体である。
特に、実験系の研究室だったため、実験施設で二人で夜通し作業したことも数えきれないほどある。
僕は、その縁を笠に着て、ファミリーで賑わう連休初日昼時の洋食屋でかなり突っ込んだところまで聞いてしまった。
反省はしているが後悔はしていない。

 

まず、一つ面白かったのは、夫婦のお金の管理だ。
実は食事の後は映画を観に行こうという話になっていて、先にチケットを買いに行った。
そこで、彼が現金をほぼ持っていないことが判明し、チケットとその後の食事を立て替えることになった。
彼に何故現金を持っていないのか聞いてみると、どうも彼の家はキツメのお小遣い制で、多くの現金を持つことが許されていないらしい。
もちろん、全く使えないわけではないが、基本的にすべて申告しなければならないそうだ。
流石、某大手銀行にお勤めの奥さんだと感心した。
彼が、後輩達を連れて酒の席に行くことが多く、とある月にその出費が10万を超えたことがきっかけだったらしい。
現金を持たせておくと危ないと判断されたとのことで、「でも他のものは何も買ってないんだよ」とか僕にまで言い訳するあたりが涙と笑いを誘った。

僕は独身だから月に遊興費がかさんでも、ちょっと遊びすぎたなくらいで済む。
でも、奥さんと乳飲み子がいたらそんなこと言ってられないのは当然のことだ。
ちょっと、自分だけで決められない家計というのも窮屈そうではあるが、それはそれで楽しいかもしれないと思ってしまった。
そもそも、僕の私生活には「責任」が存在しない。
自由である反面、緊張感とか張り合いというものと無縁である。
外から眺めて文字通り無責任に面白がられて、彼からすれば迷惑だったに違いない。

 

もう一つ、面白かったのは家族計画と育休制度に関する話題だ。
夫婦間で家族計画について話をしたりするのか聞いてみた。
結構、じっくりするらしい。
第一子がもうじき1歳になるくらいのタイミングだが、そろそろ次を仕込んで3人まで、というのが彼の希望とのこと。
何年あけて作ろうということまで話し合っているそうだ。
もちろん、子供ばっかりは授かりものだから全然計画通りにならないと笑っていたが、世の夫婦は偉いなあと小学生並みの感想を述べてしまった。

ただし、上の話題とも重なるけれども、家族計画や子供と切っても切れない関係にあるのがお金の話である。
現在、奥さんは産休からの育休中で、給料の2/3が支給されている状態だそうだ。
育休期間中に第二子の妊娠が判明した場合は、さらに延長されるらしい。
こんなご時世に何てホワイトな企業だろうと感心してしまう。
しかし、夫婦の結論としては、現在のところ復職は考えていないそうだ。
確かに、実際問題として3-4年離職していた人間が急に戻れるかと言ったら、なかなか厳しいのかもしれない。
そもそも育休期間が終わる前に、彼の転勤が決まってしまう可能性だってある。

だが、こうした復職しない育休取得が続いた場合、企業のダメージは大きいだろうとどうしても想像してしまう。
実際、彼女の会社も、そうした育休取得が多いために制度を考え直す動きが出ているそうだ。
そうなると、最も被害をこうむるのは、本当に復職するつもりがある女性たちということになる。
それでも、制度として手当てが支給される期間を利用することは間違ったことではないし、その点で彼らを責めるのはお門違いだ。
家計を支えて子供を育てる上で、お金の確保を優先することは至極当然のことであると思う。
こうなってくると、育休制度を維持している企業に対しては減税措置をとるといった形で損得のバランスをとらないと、制度の定着は結構難しいのではないかと思ってしまった。

 

やはり、出産と育児に関することでは、男女の超えられない性差が出てきてしまう。
「逃げ恥」でみくりさんが提案した高校生で子供を産む、というのはなかなか面白いアイデアだった。
常識を取っ払って僕なりの提案をさせてもらうならば、「桃太郎計画」を推したい。

これは、端的に言えば、胎生から卵生に戻ろうというアイデアである。
夫婦が子どもを産んだら、産休の間に手続きを済ませて、新生児は等しく国立桃太郎センターに預けられる。
そこで、新生児たちは医師、保育士、管理栄養士達の万全な管理のもとにすくすくと成長していく。
成長の様子は逐一写真などと共に両親へ連絡される。
もちろん、両親が週末などに会いに行って触れ合うことも可能である。
そして、2歳を迎えた頃に桃カプセルに入れられて自宅に届くのだ。
川に流して受け取るイベントなんかも行われるかもしれない。

もちろん桃太郎センターの運営にかかる費用は全て税金で賄われ、全ての国民が無料で利用可能である。
希望によって、桃太郎センターに預けられる期間が有料で延長されてもいいかもしれない。
扶養能力のない夫婦の場合には、里親の仲介をセンターに担当させてもいい。
ただ、新生児に対する管理が一律になってしまう点が少し気になる。
この期間に偏った教育が行われないように、第三者機関に見張らせる必要があるかもしれない。

 

また馬鹿な妄想を垂れ流してしまった。
流石にこの妄想まで、爽やかスポーツマンに聞かせることはなかったので、理性を保った僕を誰かほめて欲しい。