童貞見聞録

アラサーのセクシャルマイノリティ童貞野郎が心に移りゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつけるブログ

お祝いではない言葉


超絶忙しい期間を経て、ようやくブログに記事を書くことができている。

そんな中、次の週末に、友人の結婚式に出席する。
しかも、人生初の友人代表スピーチを控えている。
気乗りしないままスピーチの内容を考えていたら、元々溜まっていたモヤモヤが噴き出して、お祝いには適さない気持ちが抑えられなくなってきてしまった。
僕の心のデトックスとして機能しているこのブログに、「お祝いではない言葉」を集めて発散しておこうと思う。
ただし、個人を特定されてもいけないので、適度にフェイクを入れておくことにする。

 

Kへ

結婚おめでとう、と心から思えないことを許してほしい。

 

思えば、君との出会いは小学生の頃だった。
クラスは違っていたけれど、変わった苗字のせいで同級生にからかわれてしばらく不登校になっているという話を聞いて、随分と繊細な奴なんだなと思ったのを覚えている。
時が経って中学に入学し、ついに同じクラスになった。
僕は、当時、クラスの同級生から嫌がらせを受けていて、なおかつ周囲に自殺願望をほのめかす痛い生徒だったから、相当浮きまくっていたと思う。
先生の介入で嫌がらせも落ち着き、僕自身の精神状態も安定してきた頃、徐々に仲良くなっていった気がする。
痛い人間だから、と切り捨てられなくて本当に有難かった。
それに、それまでほぼ女子の友達しかできなかった僕にとって、君は初めての男友達だったと言っていい。
改めて、ありがとう。

 

さて、仲良くなってからの君のイメージを話しておきたい。
小学生の頃の繊細なイメージはそのままだったが、それ以上に、とにかく優しくまめだった。
どこかに遊びに出かけたり、飲みに行ったりするときも、日程調整から当日の段取り、店の予約など、君は率先してやっていた。
話しているときも聞き役に回ることが多かったし、僕は、今まで君にかなり甘えてきてしまったという自覚がある。
感謝するとともに、長男とは思えないほどの気遣いの細やかさにいつも驚かされてきた。

その反面、少し「優しすぎる」ところが気になっていた。
君は、争い事を避けたいがために、色んな事を我慢し過ぎているように見える。
一緒に遊んでいても、君は常に相手に合わせて気を回していて、本当に楽しめているのか不安になる瞬間があるのだ。
そして時折見せる卑屈な一面も気になる。
お父さんと同じ弁護士の道を自分が進まずに、弟たちが辿っていることを引け目に感じているのは知っている。
でも、だからと言って君が自分自身をそんなに卑下する必要はないと思う。
何故なら、僕は間違いなく君の優しさに救われた部分があるからだ。

 

さて、何故僕が素直に君の結婚を祝えないかと言えば、その原因は君の横にいる。
Aさん、今までたった2回しか会っていないけれども、正直に言って、僕はあなたのことが苦手です。

挨拶を頼まれた後、できれば二人に会っておきたいと言って設けてもらった酒の席が1回目だった。
Kがトイレで席を外した時に、あなたは「新郎のためのサプライズムービーを撮るので協力してほしい」と言ってきた。
連絡先を交換して、後日送られてきたサプライズの内容に驚いた。
ムービーへの出演、卒アルの提供、結婚式に参加しない友人たちからの写真集め…
協力するとは言ったけれども負担が多すぎる。
とても本番2か月前から開始して十分なことができるとは思えない。
それでも友人たち数人で予定を合わせてムービー撮影のために集まったけれども、企画が極めてあやふやなことにまた驚かされた。
かなりグダグダな感じで撮影が終わり、「半分以上はメイキングに入れるんで」と言われても、何の慰めにもならず、ただただモヤモヤが蓄積されるばかりでした。

そもそも、僕はサプライズが嫌いです。
サプライズは、された側に「喜ぶ」以外の選択肢を与えない。
言うなれば、嬉しいとか楽しいとかの正の感情の押し売りに他ならない。
全てのサプライズを否定するつもりは無いが、特にあなたの場合、「新郎のため」と言いながら結局「あなたのため」でしょう。
そして、サプライズへの協力依頼は、受け手に「断る」という選択肢を与えない。
僕は、友人を祝う気持ちを搾取されているように感じました。

 

Kよ、君は本当に結婚がしたいのか。
数か月前、突然旅行に行こうと言い出した君の言動や、結婚式の予算や内容にまるで関心がない様子を見るにつけ、本当に心配になってくる。
しかも、君はご両親に結婚の意志を伝えたとき、「別に相手に会わなくても良い」と言われたそうだね。
3兄弟で、まだ後に2回も控えていると思うとそんなものなのかも知れないが、あまり常識的ではないように思える。
繊細な君のことだから、また卑屈さの肥やしにしてしまっていないだろうか。

それに、君の横にいる人は、「結婚」ではなく「結婚式」がしたいように見える。
先日の飲みの席で、付き合っている頃に結婚する気があるのか念を押したのは彼女の方だったと言っていたけれど、断れなくて流されてしまったんじゃないのか。
結婚に当たって、君の意志が全く見えないことが、本当に心配だ。
真面目で責任感の強い君のことだから、これから先、君の方から別れを切り出すことはきっとないだろう。
でも、相手はどうか分からない。
その時、君が最も損して傷つく形になってしまわないか、心配で堪らないのだ。

 

ここまで、憶測に憶測を重ねて勝手な心配を述べてきてしまった。
これが、単なる童貞の根暗な妄想として現実化しないならば、それに越したことはない。
それに、僕はしがない友人に過ぎず、できることは限られている。
新しい家庭からも実家からも逃げたくなったら、いつでも僕のところへ来るといい。
友人の中で、独身&一人暮らしは僕位のはずだ。
君一人を匿う余裕はあるし、それくらいの恩返しはさせて欲しいと思っている。

 

改めて、僕はやはり、心からこの結婚を祝福することはできない。
でも、君の幸せは、心の底から願っている。

 

以上、長くなりましたが、僕からの「お祝いではない言葉」とさせていただきます。