童貞見聞録

アラサーのセクシャルマイノリティ童貞野郎が心に移りゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつけるブログ

結婚との相性

僕には結婚願望がない。

ゲイよりのバイな上に、この歳まで恋人一人作らないで(作ろうともしないで)生きてきたので、当然と言えば当然なんだけれども、未来のことを考えても結婚したいとは全く思わない。
あるのは、このまま孤独死してしまうのは気が引けるから、同居人が欲しいという気持ちである。
それを結婚願望と呼ぶならば別だが、僕の場合、セックスはおろか毎日同じ部屋で寝起きするのも受け入れがたいので、同居というかルームシェア願望である。
世間一般では、これを結婚とは呼ばないだろう。

 

一方で、本当は自分は結婚には向いているとも思う。

恋愛感情が欠損しているので、浮気の心配がない。
相手を性的に好きになることもなければ嫌いになることもないので、人間的な相性さえ合えば、極めて長く付き合っていけるはずだ。
それに、心根の女子成分も高めなので、世の男性よりも対女性の気遣いはできる方だと思う。
共感力も高い。
加えて、子供の頃から大人の事情で振り回されてきた部分があるので、家庭内の修羅場に対して我慢強い方だと思っている。
恋愛には全く向かないけど、結婚には向いているのかも知れない、というのは高校生くらいの頃から感じていたことだ。

恋愛なし、セックスなし、ほぼルームシェア、でもゆるく共同体を作りたい、という点で完全に希望が合致するならば、もしかしたら結婚もありかも知れない。
子どもも、自分のと思うとおぞましいけれども、他で作ってきてくれる分にはきっと可愛がれる気がする。
こんな世の中なので、探せば同じ気持ちの女性は存在するような気がするが、わざわざ探しに行く意欲がないので、結局一人暮らしを満喫してしまっている。
たまに、友達が泊まりに来たらそれでいいじゃん、という結論だ。
これから先、両親が亡くなったり大病をしたりすると、また考えも変わるかもしれない。
でも、性的な指向は変わりようがない気がするので、結婚相手に求める条件はその時も同じだろうと思われる。

 

しかし、結婚式にはすこぶる向かないだろう。

前々回の記事で友人の結婚式の準備中に湧いてきたモヤモヤを書きなぐったが、実際に出席して、つくづく自分には無理だと痛感した。
終始、疎外感を感じて居たたまれなかった。
あの居たたまれなさは、「君の名は」を観たときの気持ちと一緒だった気がする。
圧倒的な「正しさ」というか「正常さ」を前にして、それに乗れない自分への絶望感と自己否定で勝手に傷ついてしまった。

ツーショット写真のスクロール、謎のランタンを夜空に浮かべる演出、西野カナとCarly Rae JepsenのBGM(彼女たちに罪はない)、二人の写真がプリントされたチロルチョコ
中でも違和感しかなかったのは結婚式での牧師の説教だった。
「男性と女性とは別の生き物であって…」
「新郎、あなたの横にいる人は女性です、新婦、あなたの横にいる人は男性です…」
男だか女だか良く分からないような人間としては、段々と後ろ暗い気持ちになってきて、最終的には「同意」を意味するアーメンさえ自分には唱える権利がないのではないかと思えてきてしまった。

 

さて、実は最近、僕の実家に縁談があった。
母の古くからの友人から、娘を紹介したい、という連絡があったというのだ。

正直に言うと、最初に恐怖感が湧いた。
縁談を受ける可能性などあるわけがない。
自分のことをある程度知っている友人たちですら受け入れてくれるかどうか怪しい上記のことを、赤の他人が飲むはずがないのだ。
しかし、三十路がらみになってぶらぶらしているのも事実で、嘘を吐いて断るのも忍びない。
ましてや、母の友人の娘ともなれば、付き合いもあるだろうし、無下に扱ってしまって良いものなのか。
事情も明かせずに断ることになる母にも相手にも申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

実際には、自分が断るまでもなく、母が一筆書いてくれた。
確かに、良く考えてみれば、母は僕の特性に気付いている節があるし、何より彼女自身が40近くまで独身を貫いた果てにバツイチ・コブツキの幸薄そうな男(父)と結婚した前科がある。
周りにやいのやいの言われることに、さぞかし辟易していたことだろう。
何度目か分からないが、母が「母」になってくれて良かったと心底思った。
父は何か言いたげだったが、流石に友人の娘という重さに口出ししてこなかった。

ついに、自分も縁談が来るような年齢になったのだとしみじみ思う。
そして、結婚には良かれ悪しかれ「家」が関係してくることを忘れていた。
将来的に自分と全く同じ考えの女性が現れて結婚を決めたとして、その「結婚」を両家が祝福できるかはまた別の話である。
特に、うちの父親は家族に対するこだわりが強い分、受け入れられない可能性が高い。
それに、先日預金の話をしていた時に、「それは結婚式用に…」などと言っていたような気もするので、式を期待している節もある。
とんでもない話だ。

 

考えれば考えるほど気が滅入ってくる。
やはり、自分には結婚願望がないのだろう。