童貞見聞録

アラサーのセクシャルマイノリティ童貞野郎が心に移りゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつけるブログ

温泉での珍事

つい2日前の夜、近所の温泉(スパ銭に近い)にて衝撃的な体験をした。
余りのことに、普段よく会うような同僚や友人には話せない内容だったので、ここに書き捨てておきたいと思う。
また、その過程で、期せずして自分について少しだけ発見があった。
そのことも残しておく。

 

日曜の夜、割と深い時間であったけれども、何となく思い立って近所の温泉まで出かけた。
少し高めではあるけれども、広い風呂とサウナを目当てに、これまでにも何度か来たことがある施設だった。
日曜の夜でも、お年寄りや家族連れを中心にそこそこの人数が利用していた。

いつものように服を脱いで洗い場に向かうと、一人の男性に声をかけられた。
少し小太りの、一見しておどおどした雰囲気の男性。
年のころは、自分と同じくらいか少し下だろうか。
僕はド近眼の上に、温浴施設では眼鏡を外しているので、おぼろげな輪郭を捉えるしかなかったが、そんな印象だった。

彼曰く、
自分は知的障碍者で、さらに呼吸器系の持病を持っている。
発作の際には、普段は付き添いの人がいて対処してくれるが、今は温泉なのでいない。
そういう場合には、申し訳ないが周りの人に助けてもらっている。
いま発作が来て倒れそうで困っている。
簡単なことなので頼めないか。
大体このようなことをかなり回りくどく説明をしていた。

かなり怪しい。
確かに僕も怪しいと思った。
ただ、この時点では応急処置の内容も良く分からなかったし、協力できることがあるならばしてもいいと考えてしまった。
3割くらい本当である可能性もある。
何ならちょっとネタになるかもしれないとも思った。
了承して、彼に誘導されるまま、施設内の少し奥まっていて人の目が付きにくいシャワースペースに付いていってしまった。

ここからは、頼まれたこととそれに対する僕の対応を、僕の中の彼に対する信頼度とともに時系列に沿ってまとめる。

指の第二関節付近に機械が埋まっている(?)ため、そのスイッチを入れるのに奥歯で噛んで欲しいと言われる→何回か彼の人差し指を噛む 信頼度20%
指の付け根当たりを前歯で挟んで引っ張って欲しいと言われる→やる 信頼度10%
指を咥えて舌で温めて欲しいと言われる→やってみる 信頼度2%
もういいだろうと言うと、小指を頼まれる→断る 信頼度2%
最後にもう一つだけやってもらえれば倒れないと言われ、右胸部を噛むように頼まれる→拒否 信頼度-100%

今自分で書いていても思うが、そもそも、最初の提案の時点で断固拒否するべきだっただろう。
何故自分でできないのか、など色々とツッコミどころがあり過ぎる。
ちなみに端折っているが、その都度、一応彼にはツッコんでいる。
しかし、やってもらわないとダメだの一点張りで、長々とした説明が壊れたカセットテープのように繰り返され、倒れそうだと咳き込まれる。
自分の中でギリギリまあいいかと思えるラインまでは付き合ってみよう、と彼の言うことを聞いてしまった。
ただそれでも、流石に知らないオジサンの乳を奥歯で噛むことはできなかった。
最後、もう本当に無理だと全力で拒否したところ、彼はあっさりと引き下がって他の人に声を掛け始めた。

 

本当に驚いたのは、彼が居なくなった後だ。
変なことが起きたなと思いながら体を洗っていたのだが、唾液が止まらないのだ。
吐いても吐いても、唾が溜まっていく。
ただひたすらに唾を吐き続けて、気が付いた。

自分は、気持ち悪いと思っている…
彼の成分を体外に排出しようと体が反応しているんだ…

例の場面が頭の中で繰り返される。
奥歯で噛んだ感触、舐った後の唾が糸を引く様子、じっと見つめられる視線。
本当の性暴力に遭った人たちからすれば生易しすぎるだろうが、フラッシュバックを身をもって体験してしまった。

以前からこのブログにも書いてきたように、僕は自己肯定感が低く、自分のような人間が求められるなら、慰みものにされてもまあ良いかな、と思っていた。
その精神性を指して、受動的ヤリマンなどと呼んでいた。
でも、どうやら、本当はそうでもなかったようだ。
僕にもまだ、プライドと呼べるようなものがあって、それが汚される感覚が残っていたらしい。
少なくとも、誰でも良いというわけじゃない。
大変不本意な形ではあったが、自分の現在の心の様子を知ることとなった。

 

残念ながら、浴場を出た後にネットで検索しても彼の主張するような病も治療法も見つからなかった(当然だが)。
おそらく彼は特殊な性癖の人で、やはり自分はまんまと利用されたのだろう。
もしかしたら、彼は僕に指をしゃぶられたことを後で思い返してオカズにしているかも知れない。
そう考えると、1割くらい面白いとは思うけれども、やはり圧倒的に嫌悪感が勝っている。
今まで、自分のことなどどうでも良いと思って生きてきたつもりだったのに、とんだ思い上がりだ。
どうしてあそこまで付き合ってしまったのか、珍しく後悔・反省している。