乗せられまい乗せられまいと思っているのに、結局BLACK FRIDAYなるものに乗せられて買い物をしてしまった。
自宅用のディスプレイやらリモート操作スイッチやら、気が付けば5万くらいに積み上がっていた。
まんまと。
ディスプレイを買ってしまったのは、正直言ってちょっと良くなかったかも知れない。
と言うのも、今まで自宅にディスプレイを置いていなかったのは、家で仕事をしにくくするためだったからだ。
家でも大きな画面で仕事ができてしまったら、きっと今まで以上に仕事とプライベートの境目が曖昧になってしまう。
そう思って、敢えて仕事をしやすい環境を整えないでいたのに。
プライベートで使うにしたってもう少し大きな画面で効率を上げたい欲に負けてしまった。
果たして、ディスプレイが手に入っても仕事に侵食されずに済むかどうか。
戦々恐々としている。
それにしたって、BLACK FRIDAYはすっかり定着した文化になってしまった。
つい10年くらい前まではそんな風に言っていなかったはず。
単にクリスマス商戦の開始として、やたらと緑と赤のカラーリングが街に溢れてくる季節という印象だった。
元々はアメリカの感謝祭の次の日の金曜日を指していて、在庫一掃セールの開始日になっているとか。
感謝祭の文化は入ってこないのに、セールだけは取り入れる。
いかにも日本らしい受け入れ方だと思う。
などと腐しながら、すっかりそれに乗せられているのだからまるで説得力がない。
職場の同僚たちも集まればBLACK FRIDAYで何を買うとかこれがおすすめだとか、そんなことばかり話していた。
違和感を感じつつも文化の定着に加担してして、夥しい数の共犯者に混じっている。
恥ずかしいと思いつつ、商品が届くのをワクワク待っている。