童貞見聞録

アラサーのセクシャルマイノリティ童貞野郎が心に移りゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつけるブログ

ワニと疎外感

最近Twitterは「100日後に死ぬワニ」の話題で持ちきりである。

毎日定時で更新され、ワニくんの何てことない日常とカウントダウン。
終わりが見えることで、一挙手一投足に暗示が見えて味わい深くなる仕掛け。
皆さん大いに楽しんだのではないだろうか。

nlab.itmedia.co.jp

その更新も、ついに100日を迎え、ワニくんの結末を知って無事に終わる、はずであった。
が、それと同時に発表された怒涛のメディア展開。
電通案件」などと揶揄され、Twitterでもブログでも、批判とその批判に対する反論との応酬が続いて大炎上の様相を呈している。

最初に断っておくと、僕はいわゆるこの「ワニ問題」について何か主張するつもりはさらさらない。
ただ、僕の中でずっとモヤモヤとあった本作に対する違和感の正体を、この炎上騒動によって期せずして掴めてきたので、それを書き留めておきたいと思ったのだ。

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宗教と父

「最初のニュースの記憶って何ですか?」

世代の異なる人と仲良くなった時に、僕が良くする質問の一つだ。
下の世代だと9.11だったり東日本大震災だったりするし、結構上の人はあさま山荘事件を挙げたり。
結構話が盛り上がるので、広い世代の集まる飲みの席なんかでは重宝するネタになっている。

かく言う僕はと言うと、いつも「地下鉄サリン事件」と答えている。
言わずと知れた、1995年3月20日に起きた未曾有の化学テロ事件である。
実は、同じ年の1月に阪神淡路大震災も起きていたのだが、関東に住んでいたこともあってあまり現実感がなかったのかも知れない。
サリン事件の方は、まさに事件の起きた列車の一本前にクラスメイトのお父さんが乗っていた位で、すぐ傍で起きたという実感があった。
それに、「ニュースの記憶」としては抜群のインパクトがあった。
まず、地下鉄駅を出たところに人が点々と倒れているあの光景。
それに続いて、オウム真理教なる一団の修行シーンや布教用VTR。
テレビ各局が連日放送していた上九一色村からのライブ映像。
全てが尋常ならざるものとして強烈に頭に残っている。
当時はまだ「テロ」という言葉もなく、この事件を一体どんな風に分類したら良いのか、恐ろしいだけでなく未消化な感じが日本全体にあったと思う。

 

昨日、地下鉄サリン事件から25年が経ったということで、実家のテレビに当時の映像が流れてきた。
たまたま近くにいた父と上のような話をしていたら、急に妙なことを言い出した。

父曰く、
自分は三十歳位まで、科学的・論理的に確かなものしか信用せず、その他のものはどうでも良いと思ってきた。
宗教も結婚も、全く重要視していなかった。
でも、一見不合理に見えるそれを一旦受け入れてみたら、色々なことが凄くスムーズになった。

とのことだった。

実は以前から、割と合理性を重要視する主張をする癖に、墓参りとか御神籤とかジンクスとか、比較的軽い「宗教」的なものにも変にこだわるので疑問に思っていた。
詳しく聞いてみると、なかなかヘビーな話であった。

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アウトプットの場所

最後の更新から、実に1年半以上が経過してしまった。

元々頻繁に記事を書くタイプではなかったけれども、どうして全く書かなくなったのかと言われると、自分でも良く分からない。
海外出張が続いたり、仕事内容が変わったり、単純に時間がなかったということもある。
それでも、以前は出張先で書いたりしていたはずだった。
嘘を極力なくして書くことで自分のことを整理したかったはずが、またとっ散らかってしまっている。
あまりにもつまらない自分のことが露わになって、急に気恥ずかしくなってしまったのかも知れない。
そうは言いつつ、かつての記事を時折読み返すと「なるほど」と思ったりするのだから良く分からない。

 

急にまた書こうと思った理由。

これもまた、あまり判然としない。
強烈に書きたい出来事があったわけではない。
誰かに書いて欲しいと言われたわけでもない。
強いて言うならば、新型コロナ騒ぎで各学会が中止となって時間が空いたからということだろうか。

ただ書いていない間、「あ、これ書いておきたいな」と思った瞬間は何度もあった。
特に、映画を観た後。
考えたこと、感じたことを書いておかないと、後で振り返ることができない。
自分で自分のブログを読み返すときも、やっぱり映画や音楽についての記事が多い。
気軽なアウトプットの場所、要するに備忘録として、このブログの存在は大きかった。
Twitterだと形がかなり崩れるし、流れて行ってしまって後から振り返ることに向いていない。
アウトプットの一形態として、やはりブログは残しておきたいと思ったのかも知れない。

休んでいる間も、他の方のブログはしょっちゅう覗きに行っていたし、アクセス解析なんかも良く見ていた。
その中で、自分でも意外だと思ったのが、最も良く読まれている自分の記事が、博士課程に進学を決めたときのことをまとめた記事だったことである。
後ろ向きな内容だし、博士そのものの価値を下げている気がして、自分はあまり参考にされるべきでない例だと思っている。
その内、きちんとした博士の方にボロクソに書かれるのではないかと冷や冷やしている位だ。
どんな風に思って読まれているかはさておき、どうやら学術界隈のキャリアパスについては、気になる人が一定数おられるようだ。
最近、僕自身にも色々と変化があったので、いずれまとめておきたいと思う。

2018年上半期の個人的ヘビロテ音楽備忘録

もう7月も終わろうとしているので上半期でもないのだが、一応メモ代わりに残しておく。
実はこの音楽をまとめる記事、実際に時折読み直していて文字通り「備忘録」として機能している。
その頃の心理状況も併せて蘇るので、結構助かっている。

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万引き家族における生存戦略

万引き家族」を観てきた。
観たのはもう2週間も前で、僕なりの感想も煮詰まりつつあるのだけれども、一応ここに吐き出しておこうと思う。

作品が公開されればほぼ毎回劇場に足を運んできた是枝監督の最新作。
既に、カンヌ国際映画祭でのパルムドール受賞で注目を集め、日本でもかなり広く公開されているようだ。
こうした作品が多くの人の目に留まって議論を産むきっかけになることは、単純に、監督の一人のファンとして嬉しく思う。
だからこそ、僕自身も、自分の感想をまとめておきたい。
僕なりにネタバレには気を付けるつもりでいるが、少しでも気になる方は、読まずに映画館へ向かわれることをお勧めする。

gaga.ne.jp
映画「万引き家族」本予告編

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褒められるということ

数日前、今までにない通知を受けた。

nemusanさんに自分の言葉を探す旅で言及されました。

ブログを始めて早2年が経とうとしているところへきて、初めての言及。
今まで如何に他のブロガーさんたちと交流してこなかったが窺い知れる。
ドキドキしながらたぬ吉さんの該当記事を読み進めると、恐れ多いことに文章をべた褒めしていただいていた。
さらに「更新が楽しみ」という麻薬のような言葉まで。
一つ前の記事の後に参加してみたゲイブログのグループから訪問されたらしい。
正直、自分はゲイに分類されるべきなのかも良く分からないので、場違いなのではと気がかりだったのだけれども、うっかりご褒美を頂戴してしまった。

恥ずかしながら、すごく舞い上がってしまっている。
たぬ吉さんの文章を覗いてみると、表現力・構成力ともに抜群でかつ話題も非常に面白い。
そう思うほどに一層、褒められた事実が脳を甘く浸食してくる。
相思相愛ってこういうことを言うのだろうか、などと馬鹿なことを考えたりしている。

とは言うものの、人から褒められてここまで素直に嬉しかったことは久しぶりだ。
僕は、元来褒められることが凄く苦手で、相手を訝しんだり居心地悪そうにしたりと極めて可愛くない反応をする。
それが、今回はほぼ手放しで喜んでいる。
良い機会なので、その理由について考えてみた。

 

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おっさんずラブ

もう乗り遅れまくってる感があるが、出張と実験と仕事の波がようやく引いて時間ができたので、ネットの海に書いて残しておこうと思う。

おっさんずラブ」、流行に乗って楽しく観させてもらっていた。
僕は割と天邪鬼なところがあって、皆が「良い」と言っているものはあえて避ける傾向があった。
でも、「良い」と言われるものにはそれなりの理由がある。
それを、つい最近「けものフレンズ」で思い知らされたばかりだった。
下らないこだわりは捨てようと、確か5話くらいからだったと思うのだが観始めた。
あれよあれよという間に魔性のノンケ・はるたんの魅力にやられ、結局1-4話もU-NEXT配信でしっかり視聴、最終話に至ってはリアルタイムでかぶりつき、という状態であった。

おっさんずラブ DVD-BOX

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