健康を考えて良く夜に外を歩いている。
外の音が遮断されないように骨伝導タイプのイヤホンをつけて、真っ暗な川沿いの道を徘徊する。
数年前くらいから、ついに便利さに負けてサブスクに登録。
曲を選ぶのも面倒な時は、サブスクが勝手に作ったMixを聴き、まんまとお薦めされたアーティストのアルバムをダウンロードしてうっかりハマってしまったりしている。
そんな中で、ここ数日リピートしている曲がある。
どこか懐かしい感じがする切ないギターと青臭さのある歌詞が絶妙なバランスで、ちょうど今の気持ちにぴったりあったのかも知れない。
今までそこそこ頑張って生きた
自分の人生が可愛いと思う
物思いに耽る夜
募る不安を頼りない笑い声で
誤魔化すことこそが本当の
「愛」だそうだ
そんなわけないだろって思っても
どこか間に受けてる自分が
とても情けないな
決して悲観的ではないけど、極めて自省的。
若い時みたいな潔癖さとか完璧主義が緩んできて生きやすくなってきたけど、それで良いのか少し疑問を持っているような。
自己嫌悪に浸って絶望してられるほど、子どもではいられなくなったような感覚がある。
chillbill.は、二人のアーティストが始めたユニットで、本作の歌詞は多分ボーカルを担当しているちる井氏が書いたものだろうと想像する。
情報がないので予想でしかないのだが、多分自分より少し下の30前後くらいの年齢じゃないかと勝手に思っている。
もしこれが、仮に20代前半や10代だったとしたら、少し心配になってしまう。
こういう考え方はあまり良くないだろうと思いつつあえて書くと、やはり思想というか人生観、哲学のようなものにも、年相応ってあるのではないかと思う。
やっぱり10代や20代の若者には、もっとがむしゃらであって欲しいし、諦めた大人を負け犬だと罵っていて欲しいし、理想と現実のギャップに絶望したり、逆に万能感で調子に乗ったりしていて欲しい。
というか、若者が伸び伸びそうあれる社会を保っていたいと思うくらいの年齢に、自分もなってきた。
もしも、この曲を若者が作っていて、しかも今の若い世代がとても共感しているのだとしたら。
それは結構悲しいし、そう思わせてしまっていることを年上世代は反省すべきではないか、などと思ってしまった。
そんなことを考えながら夜道を歩いていると、平気で1時間くらい経過してしまう。
音楽一つとっても、今までにはない視点で聴けるようになっている気がして、そこそこ歳を重ねることを愉しめているんじゃないかと思う。