童貞見聞録

アラサー超えてアラフォーのセクシャルマイノリティ童貞野郎が心に移りゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつけるブログ

2024年10月15日

昨日は一仕事終えた後、友人から薦められていたインド映画を観に行ってきた。


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とある田舎の村のその日暮らしの青年が、ひょんなことから猿の神ハヌマーンの力を手に入れて悪と戦う物語。
コテコテのストーリーながら、押さえて欲しいところはしっかり押さえてあって、荒削りでもそれが気にならないくらい楽しい作品だった。
連休最終日のレイトショーということもあってか、客は自分を入れてたった二人。
少し勿体無いと思う。
少年漫画のような王道ストーリーなので、もう少し見やすい時間帯に上映すれば良いのに。

それにしても、アメコミ×インド映画の相性の良さたるや。
インド映画と言えば、スターとヒロインが最高に輝く見せ場とカットの連続で、盛り上げどころでは衣装に踊りに歌にと一切手を抜かない。
アメコミ的ヒーローも、基本は圧倒的な存在としてみんなを助けてくれるわけなので、インド映画的演出の適性は抜群にある。
本作では、ハヌマーンの力を手に入れて戸惑いつつもしっかりと調子に乗り、美しいヒロインを助けるため奮闘しながらも鼻の下を伸ばし…なんていうお約束がバッチリ踏襲された上で、決めるところはしっかり決めてくれている。
小学生も入れた応援上映なんかやったら、きっと盛り上がると思う。

一方で、ちょっと今まで見てきたインド映画にはない新しいヒーロー像も感じた。
主人公が、何だか今までより可愛いのだ。
本作の中でもネタになっているが、「バーフバリ」のプラバースにしろ「RRR」のチャランにしろ、インド映画のスターと言えば、隆々とした激渋髭面マッチョメンで、鬼神の如き戦闘力でもって敵をバッタバッタと薙ぎ倒していくものだと思っていた。
ところが本作の主役であるハヌマントゥは、どちらかというと線の細い美少年風の見た目。
ハヌマーンの力に目覚めた後も、特に鍛え上げられたり体が大きくなることもない。
可愛さとか美しさはちゃんと保ったまま、怪力を振るっている。
少し前にEテレで観た特集番組で聞いたけれども、日本のヒーロー作品は「可愛い」と「強い」が両立しているところに独自性があるらしい。
鉄腕アトム然り、ドラえもん然り、セーラームーン然り。
一見強そうに見えない存在が、驚異的な強さをみせて人々を救う意外性。
「ハヌ・マン」をその延長上として捉えるならば、かなり日本的と言うか日本人が好みやすい作品だと言えるような気がする。

多くのアメコミのお約束を踏襲して、続編が制作されるらしい。
もっと日本でも盛り上がってくれれば、きっと公開されるはず。
そうなることを切に願っている。