昨日、大学の同期に久々に会った。
卒業後何年かしたところで飲んだのが最後だったと思う。
仕事関係のとあることで久々のメールを受け取って、その件の相談を含めて飲みにでも行こうという話になったのだ。
職場まで来てくれたのであちこち案内しつつ、お互いや共通の知り合いの近況なんかを報告したりして話は尽きなかった。
彼と初めて会ったのは、多分学部2年生のとき。
僕よりもはっきりと優秀で、同期の中でも一目置かれる存在だった。
何より自分の優秀さをちゃんと自覚している人で、自分が正しいとか面白いと思ったことについて、誰に何を言われてもそれを曲げない強さのある人だった。
主体性なく流されて、何かにつけて自信をなくしがちな僕とは真逆の人、という印象だった。
20代の頃の僕は、間違いなく彼に対してコンプレックスを抱いていた。
大学院に進学した後は、研究室が近かったこともあってさらに交流が深くなり、より仲良くなった反面辛いと思うことも多かった記憶がある。
そんな彼との共通点は、人間が好きなこと。
誰がどこに就職したとか、誰と喧嘩したとか結婚したとか、今どうしているとか、そういうことに興味があるし良く覚えている。
二人とも教職を取っていたのは、そういうことも関係があると思う。
今回も、気がつくとひたすらそういう情報を交換していて、何だか昔に戻ったようで懐かしくなってしまった。
ただ、人との付き合い方に関しては、結構違っていたと思う。
彼はとにかく興味があるのでガンガン本人に聞きに行くし、思ったことはズバズバ指摘するタイプ。
本人に悪意はないけれどかなりキツイことを言っているな、と感じたことは数知れない。
そして、他人に興味はあれども自分の希望は優先したい人なので、傍若無人に映ることも少なくなかった。
対して僕は、相手の仕草から何となく察して、お互いに愚痴を吐きながら本音を探るタイプ。
話は聞くし情報もあまり漏らさないけれど、直接的な問題の解決にはなかなか繋がらない。
ちょっと心に闇を抱えた後輩たちとは、抱えたコンプレックスで共鳴してそこそこ好かれていたとは思うが、健全ではなかったかも知れない。
お互いに別の組織に就職して、数年が経った今。
あの頃とは違う穏やかな心持ちで会えたとは思うが、根本はお互いに変わらないなと思った。
彼は研究室を持って多くの学生に指導する立場にあるそうだが、なかなか辛辣なことも言っていた。
ちゃんとコミュニケーションを取っているから大丈夫と笑っていたが、果たしてどうだろう。
学生の頃、彼の後輩たちの愚痴を良く聞いていたことを思い出して、烏滸がましくも少し心配になってしまった。