童貞見聞録

アラサー超えてアラフォーのセクシャルマイノリティ童貞野郎が心に移りゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつけるブログ

2024年2月11日

昨日は昔からの友人とスキーに出かけてきた。
前日に落ち合ってホテルに一泊、昨日は朝イチでゲレンデに入って昼過ぎまで楽しみ、早めに上がって温泉に浸かってから引き上げてきた。
職場の先輩グループも同じスキー場に来ていたため合流して、全体としてとても満足感のあるスキーだったと思う。

その友人と出会ったのは、小学生の頃まで遡る。
当時は別にクラスメイトでもなかったはずで、お互いにほとんど話したこともなかった。
少し変わった苗字を持つ彼は、それを揶揄われたことが原因だったのか、一時期登校できなくなっていた…と言う朧げな記憶がある。
随分と繊細な子なのだろうと言うのが、僕の第一印象だった。
仲良くなったのは中学生の頃で、同じクラスだったことがきっかけで、良く話すようになった。
異性の友達が多かった僕にとって、初めてに近い同性の友達だったかも知れない。
何だかんだで3年間連んで、卒業してからもちょくちょく映画を観に行ったり遊んでいた。
今も定期的に呑みに行くし、旅行にも何度か行ったし、結婚式にも呼ばれた。
スキーにハマったことを話したら、ちょうどスノボを始めたと言うことで、ここ数年は1シーズンに1回くらいは一緒に出かけている。

最初の印象と言うのは案外当たっているもので、彼はかなり繊細な性質の人間だと思う。
少なくとも、自分なんかよりもずっと。
大学を卒業して割と大手の会社に就職した彼だったが、人間関係の問題で度々愚痴をこぼすようになり、その後転職をした。
転職先でもあまり仕事に馴染めず、程なくてして再転職を決意。
去年から新しい会社で働き始めている。
が、その仕事もなかなかハードなようで、今回の旅でも弱音を口にしていた。
前職は仕事がつまらなくて辞めたようだったが、今回は力量よりも高いレベルを要求されているようで気が引けるらしい。

彼は、年齢を聞かれたくない、としきりに言っていた。
「その歳でこの位のことしかできないのか…?」と幻滅されるのが怖いと言う。
確かに、彼は、年齢よりもかなり若く見える。
いや、幼く見えると言った方が正確かも知れない。
元同級生ということで僕と同年齢の良い歳したおっさんのはずなのだが、時折、大学生くらいに見えることがある。
始めたばかりの仕事でうまくできないのは当然だし、それで困るようなら会社の教育に問題があるだろうと思うのだが、すっかり自信を失っていて辛そうだった。

そんな彼を慰めたり励ましたりしていたわけだが、その一方で、彼が人間関係の問題を抱えがちな理由が少し分かったような気がしてしまった。
たまに会うくらいの友達だったらまだしも、しょっちゅう会う仕事場の同僚が、ずっと気落ちしておどおどビクビク、腫れ物のような存在だったとすると、確かにやりにくいかも知れない。
だからと言ってパワハラまがいの対応をして良いとは思わないし、それでもうまく仕事場を回すのが上司(マネージャー)の仕事だろうとも思う。
けれど、彼の性質が、その手の問題を引きつけやすいことは想像に難くなかった。
実を言うと、本当は今日も彼に飲み会(共通の友人と飲むらしい)に誘われていたのだが、断っている自分がいた。
スキーの次の日で疲れていたと言うのもあるのだが、今日も行くとなると今回のスキーの前泊の分も入れて3日連続で彼に会うことになる。
また彼の話を聞くのか…と辟易してしまったことは否めない。
中学生の頃は毎日のように一緒に帰宅していたと言うのに、自分の薄情さに驚いている。

彼はまた、転職をするのかも知れない。
今度こそ彼に合った仕事が見つかると良い、と思っているのは本当だ。
お互いに晴れやかな気持ちでゲレンデに立てる日を、心から願っている。