童貞見聞録

アラサー超えてアラフォーのセクシャルマイノリティ童貞野郎が心に移りゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつけるブログ

2023年12月21日

今日、おそらく仕事場の後輩を泣かせてしまった。
ここ数日落ち込んでいた彼ではなく、別の後輩である。
「おそらく」と言うのは、何が原因で泣かせてしまったのか、はっきりと分かっていないのだ。
自分でも思う。
ハラスメントの加害者が良く言う台詞だと。

彼女が泣き始めた直前、一緒に作業をしていたのは自分だし、彼女の作ったプログラムのバグ出しをやっていて、動作を見ながらあれこれ注文をつけていたのも間違いない。
状況から言って、僕の伝え方に問題があったとしか思われない。
今も自分の発言を振り返ってみて、良くなかったかも知れないと思い当たる部分もある。
その場で謝ったし、何がいけなかったか聞こうと思ったが、首を振るばかりで答えてはくれなかった。

僕は、例えかなり怒っている時でも、誰かに声を荒げてキツい言い方をすることはない。
ましてや怒鳴り散らしたり、人格を否定するような発言はしたことがないと言って良い。
どちらかと言うとあたりはソフトな方だと思うし、何かを注意する時にも理由を合わせて伝えるようにしている。
むしろソフトにし過ぎて冗談の延長線上のような言い方になってしまうので、逆に舐められてしまうことの方が多いと思っている。

ただ、一部の人にとっては、それでも結構食らうらしいことは知っていた。
大昔、従姉妹がまだ中学生くらいだった時に、頼まれて勉強を教えたことがある。
簡単な英語の問題集だったと思うが、その様子を見ていると、かなり根本部分の文法の知識が抜けていそうなことが分かった。
普段と同じ感じで冗談混じりにそこを指摘して、ちゃんと改めた方が良いことを伝えたところ、彼女は問題を解きながら途中で泣き出してしまった。
あの時も、自分の伝え方に何か大きな問題があったのだろうと思って反省したはずなのに、今回また同じようなことが起きてしまった。

難しいのは、「そもそも指摘しない」という選択肢が取れないことだ。
たぶん、最も簡単な解決方法は、問題に気が付いてもそれを指摘しないことなのだ。
それなら、傷つける/傷つけられるはずもない。
けれど、それでは仕事が進まないし、同じ問題はまた発生してしまう。
だから指摘しないといけないのだけれど、人によってベストな伝え方は千差万別。
チューニングが容易ではない。

ただ今日、現場で泣き腫らす後輩を見ながら、少なくともこの子には「逃げ道」を作った上で注意する方が良いな、と思った。
確かに、彼女は自己評価も低いし、自分の作ったものに問題が見つかると、全て自分の能力のせいにしたがる傾向がある。
バグなんてどのプログラムにも存在するし、そもそも今日はそのバグ出しのための時間だったのだけど。
向いていないと弱音を吐いているところも、何度も見ている。
でも、まだ2年目でそんなにバリバリ活躍できるなんて思っていないし、こっちはもっと長期スパンで能力を磨いてくれることを期待しているのだ。
もちろんそういう風に伝えているけれど、多分本人は、何か注意された瞬間に反射でその思考に至っている。
だから、「時間がなかった」「体調が万全じゃなかった」「頼み方が悪かった」。
なんでも良いから「逃げ道」を用意してあげてから何か指摘した方が、きっといい。

落ち込んでいる後輩の件も含めて、ここ1週間くらい人間関係のことで振り回されている。
だが、チームでプロジェクトを進める以上、この手のも問題は避けられない。
個人研究だけして生きていけるような立場でもないので、ちゃんと対人能力を磨く必要があると改めて実感する日々である。