童貞見聞録

アラサー超えてアラフォーのセクシャルマイノリティ童貞野郎が心に移りゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつけるブログ

2023年12月4日

自分の段取りの悪さのせいで、打ち合わせが紛糾してしまった。
それほど重大なことではなかったはずだが、言われた当人が可哀相だった。
もちろんフォローは入れたが、ちゃんと復活してくれるか少し心配している。

段々と年齢を重ねたせいで、例えグループで進めていることで自分のマネージメントに主たる原因があることであっても、自分以外の誰かが追及されてしまう場面が増えてきた。
個人でやるより大きいことができるのは間違いないけれど、まだまだ個人研究の感覚が抜けていないのだろう。
幾つになっても反省することは多いし、落ち込むこともなくならない。
復活がうまくなっていくだけで、一生このままなのかと思うと少し怖くなる。

最近、Netflixで「葬送のフリーレン」を少しずつ観ている。
実はそれほど好みに合っているというわけでもないのだけど、話題になっているし確かに面白いとは思うので、何となく追いかけている。

frieren-anime.jp

好みではないけど面白いとか、ちょっと歯切れが悪い理由は、主人公フリーレンの人物像にある。
長い長い時間を生き続けて他者との関係性が希薄なエルフが主人公なのだが、何となく年のいった研究者っぽいのだ。
もうとっくに定年は迎えているのだけど、いつまでも大学に入り浸って個人でバリバリ研究して成果出してる伝説の名誉教授みたいと言うか。
しかも、フリーレンには超優秀なお供の者が付いている。
ほぼほぼ介護されているような状況なのだが、能力が高いフリーレンはちゃんと頼られるし彼らを導く存在でもある。
この辺も、自分の研究室で学位を取った優秀な研究者が、いまだに先生を慕って意見を求めに来る感じに似ている。

つまり、フリーレンは言ってみれば研究者の理想的な余生と言える。
幾つになっても研究を続けたいし、後進の者たちからは尊敬されたいし、でも面倒なことは誰かにやって欲しい。
そんな風に思えば思うほど、この物語を「好き」と言い難くなる。
理想的な未来であることは認めざるをえないが、それを手放しで喜ぶことにどうしても恥じらいがある。
ギャルゲーのハーレムエンドを喜ぶことへの抵抗感に似ている。

大体、実際にはそうならないことの方が圧倒的に多い。
体や頭がちゃんと働かなくなるだろうし、日進月歩で発展を続ける最前線を追うことはなかなか難しい。
それでも頑張ってしがみついたって、若い世代からは煙たがられて、果ては老害などと揶揄されてしまう。
フリーレンに理想の自分を重ねるのは構わないが、実が伴わない状態だと目も当てられない恥ずべき怪物が産まれてしまうだろう。

大人数のプロジェクトの難しさに落ち込みつつ、フリーレンならどうかと考えてしまった。
きっと圧倒的な能力でもって個人で解決してしまうか、面倒な調整なんかは優秀な弟子にやらせてしまうだろう。
やっぱり、僕はフリーレンがあまり好きになれない。