童貞見聞録

アラサー超えてアラフォーのセクシャルマイノリティ童貞野郎が心に移りゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつけるブログ

2024年5月26日

来るべき引越しと急に決まった海外遠征に向けて、少しずつ準備を進めている。
昨日は幾つか物件の内見に行き、航空券とホテルの予約を済ませた。
遠征の方は、ビザの準備もしておかないと、まだまだ安心はできない。

昨日はそんなあれこれを片付けた後、中学の頃の友人に誘われてとあるイベントに参加。
お酒を呑みながら近況を報告しあってきた。
その相手の一人とはおよそ1年振りの再会。
その間にお父上が亡くなったり、結構大変な1年だったそうだ。
それがきっかけなのか、兄弟からの強い勧めもあって、今は絶賛婚活中らしい。
結婚相談所にも登録して、来週には写真を撮りに行くと言っていた。
登録料が思ったより高くて驚いてしまった。

その彼、中学生の頃から、他者とコミュニケーションを取るのが苦手な人だった。
どちらかというと人と喋るのが好きな人ではある。
にも関わらず、早口だったりリズムが独特だったり、上手く意思疎通ができない。
小学生の頃から知ってる自分でさえ、久しぶりに会うとチューニングに時間を要する。
そんな状況なので、女性とはほとんどまともに話せたことがないと言っていた。
加えて精神的にも脆く、お酒に逃げていた時期もあったし、今も心療内科に通っているらしい。
年齢も年齢だし、正直、婚活は難航するだろう。
が、決して悪い人間ではないと思うので、彼のことを理解してくれる人が現れて欲しいと願っている。

そんなことがあった今日、昼過ぎに映画を観てその後に喫茶店に寄ったのだが、隣の席に座る男女が、まさにお見合いアプリか結婚相談所でマッチングしたであろう二人だった。
初めて会うのだろう、お互いの好きなものが何かとか、休日をどう過ごしているとか、そんな話を投げ合って笑顔を保ちつつ探りを入れあっていた。
何てタイムリー。
昨日のこともあって、思わず聞き耳を立ててしまった。

聞いている限り、二人ともかなりの緊張感で、無理に饒舌になっている感じだった。
もちろんお互いのことを知りたい気持ちもあったと思うが、沈黙を恐れてとにかく話そうとしている印象。
男性の方は観劇を良くするようで、そういうサブスクのようなものに登録しているらしい。
定期的に送られてくるチケットであちこち言っているのだとか。
女性の方は映画も映画館までは行かなくて良いタイプらしく、一緒に行きましょうみたいな感じにはなかなかならない雰囲気だった。
女性が最近配信で観て面白かった映画は「カラオケ行こ!」だったらしいが、今度は男性の方が観ていなくてそちらもイマイチ盛り上がらなかった。
一方、隣の席で聞いていた僕は「カラオケ行こ!」と聞いて妙な納得をしてしまった。
男性の雰囲気が、どこか綾野剛さんに近かったからだ。
ちょっと線の細い、色白でメガネが似合うクールな男性。
見た目はきっと、かなりタイプだったんじゃないだろうか。

途中で彼らはお店を出て行ったが、次も会う約束できたのかどうか、良く分からない。
ちゃんと会話は成り立っていたし、印象も悪くなかったと思う。
彼らにその気があれば、観劇とか映画とか、次に繋がるような伏線は張られていた。
何より、マッチングで初めて会う相手とちゃんと楽しく会話しようと努力するくらいの気遣いと常識があるわけで、今回がダメでも二人ともきっとうまく行くような気がしている。
昨日会った友人が、果たしてそうできるかと言うと、なかなか難しいのではないかと思ってしまうからだ。

などと、本当に勝手なことばかり。
今日の彼らだって昨日の友人だって、結婚する気もなく無責任に生きている人間にこんなことを言われたくはないだろう。
自分のことを棚に上げて、本気の人たちの努力を肴に楽しむ傲慢さ。
そう指摘されて詰られても、文句は言えない。
でも、決して彼らを笑いものにするつもりはないし、欲しいものが望む形で手に入って欲しいと願っている。
もはや愛しさに近い気持ちなのだが、それすらも嫌だと思われるだろうことは想像に難くないので、日記にだけ残しておく。