童貞見聞録

アラサー超えてアラフォーのセクシャルマイノリティ童貞野郎が心に移りゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつけるブログ

2023年10月17日

「ゆとりですがなにか インターナショナル」を観てきた。


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ドラマがかなり好きで、あいつらにまた会えるということだったのでホイホイ観に行ってしまった。
結果として、テレビドラマの劇場版としては、今までにないくらいの満足感だった。

やはり、宮藤官九郎という男の観察眼には感服だ。
50がらみのオジサンが、どうしてこんなにもゆとり世代やZ世代の感覚を掬い取れるのか。
多分、世代によって人間が変わっていくと考えるのが間違いなのだろう。
時代や社会情勢や環境が変わっていくだけで、実は人間そのものは変わっていない。
宮藤官九郎という男は、おそらく人間の本質に対する理解が深いために、時代に合わせて容れ物が変わったときの人間の心の動きの解像度が高いのに違いない。

タイトルに含まれる"インターナショナル"の意味。
現在の日本の立ち位置について、非常に冷静かつ鋭い分析が現れていたと思う。
我々が、まずインターナショナルと言ったら、当然近くの国のことから考えるべきなのだ。
文化でも経済でも互いに影響し合っている近隣諸国と真面目に向き合わずして、未来などあり得ない。
かつての栄光にしがみつくようなグローバリゼーションとは違う、極めて地に足の付いた、説得力のあるインターナショナルだった。

「ゆとりですがなにか」は、定期的に新作を制作すべき作品だと思う。
社会の変化に合わせて、ゆとり世代の彼らはそれぞれの壁にぶつかって、それでもいつも何とかもがいている。
自分は正確に言うとゆとり教育を受けた世代より少し上なのだけれど、ちゃんと「俺たち」の物語だと感じられる。
これから先、どんな未来が待っているのか想像もつかないが、時折、宮藤官九郎の目を通した世界を観て答え合わせがしたいと思うのだ。