童貞見聞録

アラサー超えてアラフォーのセクシャルマイノリティ童貞野郎が心に移りゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつけるブログ

2023年11月6日

昨日の疲労が祟って、一日体が痛かった。
と言うのも、昨夜はとある音楽フェスに参加して、思う存分体を酷使していたのだ。

様々なアーティストが参加するタイプの音楽フェスに行くこと自体が初めての経験だった。
これまでライブで聴いたことがなかった種類の音楽を浴びて、とにかく興奮していた。
一番驚いたのは、自分がメタルバンドの演奏を聴きながらヘドバンをしていたことだった。
今まで自分は、どちらかと言うと音楽の趣味は軟派な方で、ポップスを中心にR&Bとかダンスミュージックとかファンクとかに寄っていると思っていた。
それが、どうしたことだろう。
周りの雰囲気に呑まれたと言うのも否めないが、元気に激しく頭を振っていた。
そのせいで今日ずっと首を支える背中の筋肉が痛かったけれど、特に後悔もしていない。

僕は、90年代を小学生で過ごしてきたこともあって、ずっと音楽はCDで聴くものという気持ちが強かった。
テレビでライブ映像が流れるのももちろん観たことはあったけれど、やっぱりCDの方が聴きやすいと思っていた。
おそらく人生最初のライブは、友人の付き合いで行ったAKB48の公演だったと思うが、アイドルの現場と言う意味でそれなりに面白くはあったけれど、音楽そのものは別に感心しなかった。
それが、大きく変わったのが、Perfumeのライブに参加したことだった。
DVDで観て知った気になっていたライブが、現場で観ると全然違うことを知ってしまった。
照明・音響・効果・舞台演出、その全てがその場に集まった人たちだけのために作られていた。
何より、そこにその人が「いる」ということ。
あの音楽を全身で浴びる経験に強い説得力を持たせるもので、絶対に音源化・映像化できないものであることを痛感したのだ。

そして昨日。
何となくラジオや同僚の車で聴いてハマんないなあと思っていたメタルサウンド
生で聴いたら全然ちげーじゃんと、頬に強烈なビンタを食らったくらいの衝撃だった。
無条件に高揚させて破壊衝動を興奮に昇華する魔法。
北海道で食べる新鮮なウニとその辺のスーパーで売っているミョウバン臭いウニくらい、似て非なるものだった。
きっとCDとかDVDは、いつか経験したあの日のメタルライブを思い出すための降霊道具に過ぎないのではないか。

今まで何となく敬遠していたジャンルを思いの外楽しめている自分を発見して、何だかとても嬉しかった。
新たな扉が開けた気がして、とても得難い日曜だったと満足している。