童貞見聞録

アラサー超えてアラフォーのセクシャルマイノリティ童貞野郎が心に移りゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつけるブログ

2023年11月7日

ワークライフバランスという言葉を強く意識する瞬間がある。
自宅の本棚を見る時である。
僕の家の本棚には、同じ巻の漫画が幾つか並んでいるのだ。
これを苦々しく見つめる時、その言葉がいつも浮かんでくる。

昔から漫画が好きで、電子書籍がどんどんと幅を効かせていく中でも、「これは」と思う作品は変わらず紙の本を買い続けている。
捨てられないなと思った作品は、実家や自宅の部屋に今も大事に並べてあって、ふとした時に読み直したりしている。
既に完結しているものは、そのまま並んでいるだけなので特にどうということもない。
多少場所を取るなと思うくらいのものである。
問題は、まだ連鎖中で最新刊を追いかけ続けている作品である。

中高生の時分は、単行本派だったということもあって、既刊を繰り返し読んでは最新刊の発売日を今か今かと待っていた。
ハマり方によっては、どの巻にどんな話が載っているのかも、覚えていた。
最新刊が何巻かを間違えることなんて、あり得なかった。
ところが。
大学院生になり、ポスドクになり、就職し。
年々忙しくなって、既刊を読み返す頻度も激減し、ましてや最新刊の発売日を気にする余裕もなくなった。
そうすると、たまに本屋に寄った時にそういえばと陳列棚を確認する。
これは読んでいないなと思って購入する。
読み始めてから気が付く、既に持っていることに。
先日はさらに事態が深刻化して、読み始めてからもしばらく気が付かなかった。
「あ、この人実はこうなんだよね」と思って読み進めていたらその通りの展開に進んでいくので、いつネタバレを踏んだのだろうと疑問に思っていたら自宅で同じ巻を発見した。
何のことはない、読んだことがあるだけだった。

というわけで、僕の本棚にはすぐに確認できる限りでも「凪のお暇」の9巻と「メタモルフォーゼの縁側」の4巻が2冊ずつある。
必要な人がいれば、すぐにでも譲りたいくらいだ。
と書きながら、ワークライフバランスを見つめ直す戒めの意味でも残した方が良い気がしてきている。
電子書籍で買っていれば、当然こんなミスは起きないだろう。
けれども、本当は、最新刊が一体何巻で、そこまでのあらすじをきちんと覚えておけるくらいの余裕を持って暮らしたいと思っているのだ。