童貞見聞録

アラサー超えてアラフォーのセクシャルマイノリティ童貞野郎が心に移りゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつけるブログ

2024年4月7日

地獄のような19連勤が終わり、ようやく休めると思っていたのだが、諸事情あって実家に帰ってきた。
実家に帰ると言っても何か働いたわけではないし、昨日は一日中少しも仕事はしなかったので、一応ちゃんと休みではあった。

土曜は、特別養護老人ホームに正式に入所が決まった祖母に会いに行ってきた。
前回会いに行った時には、在宅で介護していた時にもなかったくらいしっかりとした状態だったけれど、今回は全くダメだった。
僕のことも父のことも分からず。
半分寝ているような状態に近くて、土産で持って行ったお菓子を自分で食べることもできなかった。
仕方ないので父と一緒に口元に運んで食べてもらったけれど、最後まで我々のことはちゃんと認識してくれなかった気がする。
少し前に父が会いに行った時も同様だったようで、持っていった好物のハーゲンダッツの方が反応が良く、ついにアイスクリームに負けたなどと冗談めかして悔しがっていた。
反対に、ようやく介護から解放された両親の方は、だいぶ回復したようだった。
明らかに血色が良くなっていて、活動的になっているのを感じた。
先日温泉に連れ出したばかりではあるけれど、しばらくは運転手になって彼らの我儘に付き合ってあげたいと思う。

時間に余裕ができたからなのか、父はいつにも増して饒舌だった。
歳をとると自分の人生を振り返りたくなるのか、しきりと仕事場での人間関係の失敗の話をしていた。
息子の立場から言うのもおかしいのだが、父はかなり不器用な性格で、職もかなり転々としてきた。
決して人当たりが悪いわけではないし、むしろ柔和で話好きの男である。
ところが、とにかく間が悪い。
祖母の特養入所が決まった時だって、冗談のつもりなのか「次は僕の介護をよろしくお願いします」などと母に言って激怒させていた。
決して悪い人間ではないし、能力も高いのだけれど、どこか人の神経を逆撫でするようなところがあるのだ。
最後に働いていたところでは、彼を辞めさせるための運動が2度も立ち上がったのだとか。
別に犯罪を働いたわけでもなく、悪意を持って誰かを貶めたわけでもない。
息子の立場からすると、そこまでするほどか、と言いたくなってしまうが。
それにしても、そんな運動があってなお職場に平然と居座れてしまう鋼のメンタルは、我が父ながら尊敬に値する。
真似できそうにないが、見習いたいものだ。

翻って、自分にも多少父の血を感じるようなところがないこともない。
流石に人間関係がうまくいかなくなって辞めさせられるようなことは起きていないが、不用意な発言で人を怒らせてしまったことは何度もある。
けれど自分の場合、子供の頃から人の顔色ばかりをうかがって生きてきたせいか、相手がどう思っているかには敏感な方だ。
だから、相手の反応を見て軌道修正することはある程度できている…と思っている。
その点、父はその能力が絶望的なほどない。
昨夜も自分で苦手だと言っていて、一応自覚があったのかと驚いた(母が再三指摘していたからかも知れないが)。
今の年齢から父がこれから成長するわけでもなし、家族としては、仕方がないものだと思って付き合っていくしかないだろう。
一番身近な反面教師として。