童貞見聞録

アラサー超えてアラフォーのセクシャルマイノリティ童貞野郎が心に移りゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつけるブログ

2024年6月2日

数日前、職場のとある方から急にメッセージが入った。
一緒に仕事をしている人からかけられた言葉で深く傷つき、働く意欲が持てないと言う。
食事をしていてもその言葉がフラッシュバックして涙が溢れ、一体どうすれば気分を変えられるのかも分からない。
その方とは、仕事上少し離れているのだが、ひょんなきっかけでちょうど1ヶ月半ほど前に仕事の愚痴を言い合う飲み会をしていた。
だから吐き出すのにちょうど良かったのかも知れない。
明白な救難信号だった。

とりあえず話を聞きましょうと言うことで、急遽食事会をセッティング。
辛いようならしばらく仕事を休むように伝えて、食事会までにハラスメント相談を担当している職員に口止めをしつつ状況を簡単に連絡。
とにかく話を聞いた上で、どうしたいのか、ご本人の意思を聞くことにした。

内容については詳しく書かないが、相手からかなりプレッシャーをかけられつつ多大な業務を振られていたようだ。
通常の業務を圧迫するレベルの量で、捌ききれなかった分を休日にこっそり片付けていたのを気づかれて厳しく咎められてしまった。
挙げ句の果てに「いなくても大丈夫だから」と言われて、モチベーションを見失ってしまった、と言うことだった。
ちなみに、その相手に当たる人物のことは、とても良く知っている。
なので「いなくても大丈夫だから」も、負担を減らして休みやすいようにしようと言う気遣いのつもりであって、能力を否定するものではない、ということも容易に想像できる。
しかし、その意図はまるで伝わらない、どころか追い詰めてさえいることに気付いていない。

とにかく話を聞き出して、共感したり提案したり疑問を投げたり。
結局、特に具体的にどうするかは決まらなかった。
まだ事件から日が浅いせいか、本人の中でもどうしたいか、あやふやだったようだ。
それでも、多少はすっきりしたと言ってくれたので、意味はあったのだと信じたい。
でも解決の糸口は、業務の分担とディスコミュニケーションにあるだろう。
まず、必要以上の業務量は明らかな問題なので、他の人に頼ったり新たに人を雇ったり、システムとして解決すべきことである。
そして、もう一つ重要なのは、今回の当事者二人がお互いにどういう気持ちであるか、すれ違っている点になる。
だから、気遣いのつもりでかけた言葉が、鈍器となって相手の心を砕いている。

言われた時にそれに傷ついたことを、ちゃんと伝えること。
これは簡単なようで難しい。
ただ、そうしなければ分からない人というのが、この世にはたくさんいる。
実行するには訓練がいる。
言われた時にすぐに反応する瞬発力、言語化する力。
そして、それによって相手の機嫌を損ねるかも知れないという恐怖に打ち克つ力。
ちゃんと怒れる人は、それだけで価値がある。
偉そうに言いつつ、僕にもこの能力は欠如している。
感情が態度に現れやすいのでバレているとは思うが、どうもなあなあにして逃避する癖がある。
30代も後半に入って、そろそろ正しく怒れる大人になりたいと願いつつ、他人の話を聞きながら怒りを燻らせている。