童貞見聞録

アラサー超えてアラフォーのセクシャルマイノリティ童貞野郎が心に移りゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつけるブログ

白い粉の魔力

数年前から、白い粉の虜になっている。

きっかけは職場の先輩に勧められたことだった。
中学生くらいの頃に少しだけやっていたことを打ち明けたら、すぐにまた始めようと唆された。
自分でも軽はずみだったと思う。
でも、ちょうど新しい仕事に挑戦するタイミングで人間関係を崩したくない気持ちが強く、断り切れなかった。
あれよあれよと言う間にとある雑居ビルに連れて行かれて、まずは道具を買わされた。
レンタルもできるが自分のものを持っていた方が良いと説得されて一揃い、安くない金額を払って持ち帰った。
シーズンになると夜明け前に集合させられて大きな車に道具ごと詰め込まれ、訳もわからず連れて行かれた。
そして、目の前には白い粉。
最後にやってから15年以上経っていたと思うけれども、体は何となく覚えていたようだった。
何度か繰り返す内に、徐々に上手くなっていった。

正直最初は、付き合いでやっていた。
まだその頃は、そういう言い訳ができたと思う。
それが何度目かの時、抜けるような青空の下でパノラマの景色を観ながら楽しむ白い粉に、えも言われぬ爽快感と高揚感が体を駆け抜けた。
そこからは、坂道を転がるようだった。
気が付けば新しい道具を自ら購入し、シーズンが近づくとソワソワし始めていた。
どんどんと回数が増えて、質の異なる粉でもそれなりに楽めるように体が変わっていった。
新型コロナが流行していた時は、外国人が減っているらしいという噂を聞きつけて北海道まで遠出もした。
今では、かつて自分がそうされたように、後輩を車に載せて白い粉の前まで連れていったりしている。

と言うわけで、スキーにハマりました。
自分でも、まさかここまでハマるとは思わなかった。
漫画やアニメ、映画、音楽なんかは色々とハマってきたけれど、スポーツには一度もハマったことがなかったのでとても驚いている。
一人でも気にせず行くし、何なら昨日も職場の人と行ってきた。
今シーズンは気温も高くて雪が少なく、楽しめる回数が少なそうだ。
それでも滑れる時には滑っておきたいので、空いた週末には積極的に予定を入れている。
映画を観に行く、くらいしか週末にしてこなかったこの僕が。
このブログを始めた頃の自分に話しても、きっと信じないだろう。
白い粉の魔力は恐ろしい。
そろそろ3枚目の板が欲しいとか思っている自分もいて、まだまだ魔力の効き目は長く続きそうだ。